Cyp3a-11遺伝子の-3kbまでの5′-上流配列をルシフェラーゼ遺伝子に融合し、キメラレポータープラスミドを作製した。これをp53欠失マウスの初代培養肝細胞に導入し、細胞抽出物のルシフェラーゼ活性を測定したところ、明白な転写活性を示した。そこで、Cyp3a-11遺伝子の5′側から順次削っていった欠失変異体を作製し、同様にp53欠失マウスの初代培養肝細胞に導入して転写活性を測定した。その結果、Cyp3a-11遺伝子の5′-上流-265から-161の間および-49から-24の間に転写調節領域を同定した。-49から-24の領域には基本的な転写活性に必要な配列であるTATAboxとGCboxが存在していた。次に、-265から-161の転写活性化領域に注目し、この配列に結合する転写調節因子が存在するかゲルシフトアッセイ法により解析した。その結果、p53欠失マウスの肝核抽出液を用いたゲルシフトアッセイでは、3本のバンドが検出され、この領域に結合するタンパク因子が存在することが明らかとなった。タンパク因子がこの領域中のどの配列に特異的に結合して、これら3本のバンドが生じたかについて現在検討中である。
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