研究概要 |
被検者は同意の得られた体育専攻男女学生12名であった.被検者に東海大学タイプAスクリーニングテストを行い,タイプA者5名(年齢:22.4±0.55歳,スコア:51.6±3.42)およびタイプB者(年齢:21.6±1.52歳,スコア:36.9±4.84)に分類した.健康を十分に確認後、安静時心電図を記録しRR間隔変動計数(CV-RR値)から副交感神経機能を評価した.また,ランプ負荷による自転車エルゴメータテストにより最大酵素摂取量を心拍数,血圧とともに測定した.運動強度の算出は,最大酸素摂取量に対する相対的強度(30%,60%,90%)として求めた.本研究は萌芽的課題であるため,各相対的強度などの身体的差異は認められなかった. 1.両群に身長,体重,体脂肪率などの身体的差異は認められなかった. 2.安静時心拍数およびR-Rインターバルに差異は認められなかった.また,CV-RR値はタイプA者の方が低い値を示したが,有意な差は認めるには至らなかった.安静時の最大血圧,最小血圧,平均血圧に差は認められなかった. 3.最大酵素摂取量に対する各強度での血圧反応は,30%の強度ではタイプA者の平均値は159.2/76.4mmHg,タイプB者の平均値は150.3/85.0mmHgであった.60%の強度ではタイプA者の平均値は177.2/84.2mmHg,タイプB者の平均値は177.9/84.6mmHgであった.90%の強度ではタイプA者の平均値は200.8/87.4mmHg,タイプB者の平均値は193./92.0mmHgであった. 以上のことから,強度の高い運動ではストレス過剰者(タイプA者)がより高い血圧反応を示すことから,60%以下の強度がよいと思われる.また、同一強度で運動処方するのでなく,ストレス過剰者には強度を下げた内容を処方することが望ましいと思われる.
|