核融合プラズマに限らず、プラズマ中の様々な電位形成機構は未だ明らかにされていない。ここで取り上げるのは、磁力線沿いの電位形成および粒子加速機構である。この具体例としては、核融合プラズマで言えば、Qマシンやダイバータなどで見られる磁力線に沿って形成される電位構造、自然界のプラズマで言えば、オーロラ粒子加速機構等がある。これらはともに、磁力線に沿った方向に開放された系となっている。この開放系であることが、より現実的な配位における、電位形成機構のシミュレーション研究をする上で障害となっていた。そこで、本研究では、粒子運動論的効果を考慮した粒子シミュレーション手法を用いて、開放系のシミュレーション・モデルを構築することによって、磁力線沿いの電位形成(電気二重層形成)機構の物理機構について研究をおこなう。運動論的エントロピー表示法を用いることで、(超)イオン音波電気二重層形成機構に対する電子とイオンの役割を見いだすことに成功した。
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