研究課題/領域番号 |
07F07208
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
堀内 正嗣 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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研究分担者 |
MIN Li-Juan 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | レニン・アンジオテンシン系 / 細胞老化 / AT_1受容体 / AT_2受容体 / ATRAP / MMS2 / 酸化ストレス / アンジオテンシン受容体ブロッカー / アンジオテンシンII / 血管平滑筋細胞 / 動脈硬化 / アルドステロン |
研究概要 |
血管平滑筋の老化に及ぼすレニン・アンジオテンシン系の役割についてアンジオテンシンII2型(AT_2)受容体とアンジオテンシンII1型(AT_1)受容体関連タンパクでAT_1受容体のinternalizationを促進するATRAPの影響について遺伝子改変マウス由来の血管平滑筋細胞を用いて検討した。AT_2受容体欠損(AT_2KO)マウス由来のVSMCでは野生型に比較してAng IIによる細胞老化が促進され、そのメカニズムにはAT_1受容体シグナルによる酸化ストレス/Ki-ras2A/p53/p21のpathwayを抑制する作用に加えて、AT_2受容体刺激で誘導されるDNA修復因子、MMS2の関与が示唆された。MMS2はAT_1受容体シグナルによる酸化ストレス/Ki-ras2A/p53/p21のpathwayには関連せず、AT_2受容体独自の老化制御機構があることがわかった。また、AT_2KOマウスを用いたX線照射モデルでの動物実験でも同様にAT_2KOマウスで大動脈における血管老化の促進が観察された。一方、ATRAP過剰発現マウス由来のVSMCでは野生型に比較してAng IIによる細胞老化が抑制され、そのメカニズムにはやはりAT_1受容体刺激で誘導される酸化ストレス/Ki-ras2A/p53/p21のpathwayを抑制する作用があるだけでなく、calcineurin/NFATのpathwayを介したサイクリン依存性キナーゼ阻害因子であるp21の上昇をATRAPが抑制することによる独自の老化抑制機構があることを見出した。以上の結果よりアンジオテンシンIIによる血管老化においてはAT_1受容体シグナルによる促進機構だけでなく、AT_2受容体シグナルや関連蛋白のATRAPがAT_1受容体シグナルを抑制するだけでなく、それぞれ独自に老化を抑制する機構を有し、動脈リモデリングの抑制に関与していることが示唆される。今後細胞老化の促進機構と抑制機構を効果的に調節する方法を見出すことで細胞老化を調節し、臓器障害の発症抑制につなげる検討をしていきたい。
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