研究課題/領域番号 |
07F07421
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
ハフマン マイケル エー (2009) 京都大学, 霊長類研究所, 准教授
HUFFMAN M A (M.A. Huffman) (2007-2008) 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (10335242)
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研究分担者 |
LECA Jean-Baptiste 京都大学, 霊長類研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | behavioral transmission / culture / 文化的行動 / 石遊び / 伝播 / ニホンザル / 野外観察 / 行動実験 / Culture / Behavioral transmission |
研究概要 |
本研究は計3年度(19~21年度)に渡る計画で、今回の実績概要は最終年度の21年度の8ヶ月に渡って行った研究である。本研究の目的に添って、ニホンザルの文化的行動の一つとして知られている石遊び行動を体系的に霊長類研究所の集団飼育ニホンザル群の個体追跡による詳細による分析や加齢による変化、数量的に行動の学習過程の評価,学習によって伝承される(文化的行動)という仮説を初めて行動実験によって検証出来るデータを採集した。複数の地域におけるSH行動の比較および横断的、実験的アプローチを組み合わせた結果、以下のことが明らかになった:1)ニホンザルのSH行動の総レパートリーは45種のパターンによって構成されていた2)それぞれの群れが持つSH行動レパートリーには変異があり、ある群れで顕著に観察されるSH行動が他の群れでは全く観察されないこともあった3)こうしたSH行動のレパートリーは地理的に近い群れ同士が明確なクラスタを形成しており、文化圏のようなものが観察された4)遺伝的要因と、いくつかの明白な環境要因がこうしたSH行動のレパートリーに影響を与えるという仮説は否定された5)群れサイズと性・年齢構成およびグループの凝集性はSHを行う群れ個体の割合に影響を与えることがあることが示唆された6)社会的要因は文化的行動としてのSHの獲得とその維持において重要な役割を果たす。SHの学習モデルとして幼児が母親の行動を観察することによって起こる直接的な効果と、他個体がSHを行ったことにより1箇所にまとめて石が残され、それが刺激となってSHが始まるという間接的な効果が観察された7)いくつかのグループではSHがすでにtransformation phaseに達していると思われた。ここではSHの行動パターンがより複雑に多様になっており、さらにSHが起こる文脈の拡大が認められた。
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