研究課題/領域番号 |
07F07772
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 茂 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授
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研究分担者 |
WILLIAMS Guv Darvall 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
WILLIAMS Guy Darvall 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 南極底層水 / 斜面下降流 / アデリー海岸 / マックロバートソンランド |
研究概要 |
南極底層水は世界で最も高密度の水塊であり、深層大循環の主要な構成要素である。南極底層水は、主として沿岸陸棚域での冷却・海氷生成により生じた高密度陸棚水が、沖側の高温高塩分水を取り込みつつ陸棚斜面を流れ下ることで形成される。オーストラリア・南極海盆では、ロス海から西向きに流れてきた底層水に対して、アデリー海谷上を中心とするポリニア起源の高密度陸棚水が陸棚斜面上を下降して加わることによって、低温・低塩の底層水が生じると考えられてきた。このアデリーランド沖における斜面下降流の詳細な特性を把握するため、2001年1月と2004年10月に実施された船舶観測のデータを解析した。その結果、従来言われていたアデリー海谷からの下降流に加えて、より東側に位置するメルツ海谷からの二次的な下降流の存在が新たに明らかになった。この下降流はメルツ海谷上の低塩陸棚水に起因すると考えられる。ただし、底層水の水塊変質に及ぼす影響はアデリー海谷からの下降流に比べて小さい。1998年の係留系の連続データの解析とあわせて、主として冬季の下降流イベントにより、ロス海に起因するやや高温な性質が低温側へ断続的に変質することが分かった。これらにより、アデリー海谷より上流側のメルツ海谷からの下降流も南極底層水の低温・低塩化に関与していることが示された。このメルツ海谷上の高密度水形成の原因を調べるため、海氷生産の役割について検討した。人工衛星観測に基づく海氷生成量との比較から、メルツポリニアでの海氷生産は、係留データから見積もられる海水の密度との間に強い相関をもつことが分かった。人工衛星観測の結果は、マックロバートソンランド沖など東南極沿岸の随所でメルツポリニアに匹敵する海氷生産量を示している。このことは、より広域にわたって海洋底層まで達する下降流が生じている可能性を示唆するものである。
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