研究課題/領域番号 |
07F07805
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
感性情報学・ソフトコンピューティング
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池上 高志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授
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研究分担者 |
SILVERMAN Eric Stephen 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2007 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | ロバストネス / ロボット実験 / 人工生命 / 油滴 / Hebbian学習 / 人工生態系 / オープンな環境 / アウトリーチング / 社会科学 / シミュレーション / リーチング活動 / アート / 自律ロボット |
研究概要 |
Eric Silvermanの採用が11月の21日までであったので、この実施報告書は2009年の4月から11月に関するものである。彼は、2年間にロボット実験に参加する一方で、その背後の人工生命の構成論的なアプローチに関する哲学的な論考も行なってきた。 この短い期間には2年間のポスドクの総まとめとして、人工と自然のシステムがもつ頑強性(ロバストネス)に関して論をすすめ、それをEricがここに来る以前に展開していた生態系のモデル研究におけるアプローチと対比しながら論文としてまとめあげた。それを国際会議でも発表、好評を得ている。 この新しいロバストネスの考えは、単なる線形安定性や構造安定性とは異なり、システムがメカニズムとして環境と相互作用しながら獲得するものである。これを具体的な実験結果(自分で動き回る油滴の化学実験や、音や光をターゲットとして探索するロボット)をベースに理論化しようとこころみた。油滴の実験では、無水オレイン酸が高アルカリ水溶液と相互作用することで生まれる油滴が、内部に渦構造をつくり出すことで化学反応を安定に長く保たれることが発見された。音と光のセンサーを持たせたロボットが音源/光源を探索する実験では、わずかな音センサーへのノイズが2つのセンサーの協調をうながし、かえってロバストになることを示した。これらの2つは、ロバストネスを少数自由度の力学系的な性質ではなく、むしろオープンなシステムの性質として提示したという意義がある。 この油滴やロボットの実験の成果は、mobiligenceという国際会議で発表している。また全体の議論を2009年の任期終了間際に、complex'09という会議で、より一般的なロバストネスの議論を発表し、その後優秀な論文として国際誌に受理されている。
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