研究課題/領域番号 |
07J00286
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
考古学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
久保田 慎二 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 内蒙古中南部 / 老虎山文化 / 阿善3期文化 / 陶寺文化 / 馬家浜文化 / 山西省西南部 / 晋中地区 / 三足土器 / 陶鈴 / 銅鈴 / 新石器時代後期 / 廟底溝二期文化 / 地域間関係 |
研究概要 |
本年度は、主に2方面から研究を進めた。一つは、昨年を引き継ぎ陶寺文化を主とする山西省西南部から中部までの考古学文化の成立過程を明らかにするため、当該地域に強い影響を与えた内蒙古中南部の土器編年の作成を進めた。その結果、内蒙古中南部では石虎山類型から王墓山下類型、さらに海生不浪文化が仰韶文化並行期に見られた。その後は内蒙古中南部の東部では老虎山文化、西部では阿善3期文化と、東西の交流が相対的に減少したことによる文化の並立現象が見られるようになる。両文化の時間的関係は、報告者は土器型式の類似から、阿善3期文化後期は老虎山文化前期前葉と近い年代にあると考え、海生不浪文化と阿善3期文化は連続が認められるが、海生不浪文化と老虎山文化の間には時間的空白があると考えた。龍山文化後期に相当する時期には永興店遺跡の土器群に代表される老虎山文化後期の土器が、高い共通性のもとで見られるようになる。 さらに、新石器時代後期の山西省中部・西南部との時間的関係を整理すると、老虎山文化前期あるいは阿善3期文化段階は、陶寺遺跡廟底溝2期文化あるいは白燕遺跡F2やF219などの廟底溝2期文化段階、老虎山文化後期は陶寺文化や杏花村文化段階であると考えられる。このように考えると、老虎山文化前期における岱海中心の分布地域から、老虎山文化後期における土器様式の広がりの延長として、鬲をはじめとした土器の山西への拡散を理解することができ、その拡散の影響の最南端で陶寺文化を定義する土器組成が成立したという図式が描出できる。 もう一つの研究成果は、山西省あるいは河南省・内蒙古以外の地域の研究を深化させることで、より研究の視点を広げることができた点である。具体的には江蘇省と浙江省に分布する馬家浜文化の土器と墓の分析を通し、黄河流域に対する長江流域の文化間関係を明確にすることで、より中原地区の文化様相を客観的に把握することができた。
|