研究課題/領域番号 |
07J00327
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
創薬化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 健一郎 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | NSAIDs / 胃潰瘍 / COX / 胃粘膜 / アポトーシス |
研究概要 |
臨床現場で大きな問題となっているNSAIDsの胃潰瘍副作用(NSAIDs潰瘍)に関しては、PGE_2が胃粘膜保護作用(粘液産生促進、血流増加作用など)を持つことから、COX阻害によるPG低下作用のみにより説明できると考えられていた。しかし我々は、NSAIDsが胃潰瘍を導くためにはCOXを阻害し胃粘膜でPGを低下させるだけでは不十分で、NSAIDsがアポトーシスを誘導し直接胃粘膜細胞を傷害する必要があることを世界で初めて証明した(Tomisato et al.Biochem Pharmacol 2004;Tanaka et al.J Biol Chem 2005)。またこのアポトーシス誘導作用は、NSAIDsの抗炎症作用(COX阻害作用)とは無関係であることを示した。そこで我々は、アポトーシス誘導作用のないNSAIDsは、胃潰瘍副作用の少ないより安全なNSAIDsになると考え、最近そのような性質を持つNSAIDsの合成に成功した。このNSAIDsは充分な抗炎症作用を示すにも関わらず、胃潰瘍副作用をほとんど示さなかった。 また最近、NSAIDsは小腸や大腸においても潰瘍を誘発することが明らかとなり、臨床現場で大きな問題となっている。そこで、我々が合成したNSAIDsが小腸、及び大腸で潰瘍を誘発するかを検討した。その結果、このNSAIDsは小腸、及び大腸においても潰瘍副作用をほとんど示さなかった(Suemasu et al.unpublished data)。従って、我々が合成したNSAIDsは、臨床現場において潰瘍副作用の少ないより安全なNSAIDsになることが期待される。
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