研究課題/領域番号 |
07J00335
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 一将 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非平衡相転移 / 吸収状態 / Directed Percolation / 液晶電気対流 / 界面成長 / スケール不変性 / 国際研究者交流 / フランス / ユニバーサリティクラス / 臨界現象 / 国際研究者交流(フランス) / ヒステリシス / 国際情報交換 |
研究概要 |
前年度に引き続き、様々な自然現象に偏在する吸収状態転移の普遍性を実験的に検証するため、液晶電気対流系における乱流間転移(DSM1-DSM2転移)の臨界挙動を調査した。前年度までの実験でDSM1-DSM2転移が吸収状態転移の基本クラスであるDirected Percolation(DP)クラスに静的・動的両側面で従うことを確認できていたので、本年度は得られた実験データの解析をさらに進め、より詳細な情報の抽出を行った。その結果、臨界状態で電圧を急降下させた際の時間相関の残り方、いわゆるエイジングの性質についてもDPクラスに期待される振る舞いが確認でき、またDP基礎理論の基本性質であるrapidity対称関係の振幅値を実験的に測ることにも成功した。 以上をもって3年間で予定されていた研究は全て完了し、DP転移の初の確たる実験証拠を得たのみならず、臨界現象を特徴づける臨界指数を総計12個、スケーリング関数を5個直接測定し、指数間に期待されるスケーリング関係式も8つ実験的に確認した。研究課題「非平衡相転移の究明を目的とした、動的測定法によるDPユニバーサリティの実験的検証」は全面的に達成され、DP転移の実在証明とその性質の包括的調査の完了という、極めて重要な成果を得た。 さらに本年度は、DP臨界現象に代表されるスケール不変な非平衡現象の普遍性をより広い枠組みで解明すべく、転移点より高い電圧で観測されるDSM2乱流の界面成長の普遍挙動についても実験を行った。その結果、これまで実験的には不明瞭だった界面成長の基本クラスKardar-Parisi-Zhangクラスの普遍スケーリングを過去最高精度で確認しただけでなく、近年理論的に予言された普遍揺らぎ分布を定量的に実証することに世界で初めて成功した。以上により、スケール不変な非平衡現象の普遍性に関し、相転移の枠組みを超えた実験証拠の提示を達成した。
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