研究課題/領域番号 |
07J00376
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
一丸 知子 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 成層圏突然昇温 / アンサンブル予報 / 予測可能性 |
研究概要 |
本研究の目的は、成層圏突然昇温という顕著な現象を対象に成層圏循環の予測可能性を明らかにすることである。これまでの研究により、温度ピーク直前の予報限界は10日程度であり事例によって大きく異なることが示された。その予測可能性の良し悪しには、昇温の生起原因であるプラネタリー波に関して卓越する東西成分の違いが関与していると考えられる。そこで今年度は、めったに生起しない典型的な東西波数2型の成層圏突然昇温事例である2009年1月の事例について詳細に解析を行った。 観測事実を踏まえ、予報限界を調べたところ突然昇温直前の予報限界は5日であり、平均的な予報限界よりもかなり短かった。極渦の移動を予報する東西波数1型の成層圏突然昇温に比べて、東西波数2型の成層圏突然昇温は極渦分裂というよりダイナミックな成層圏循環の動きを予報しなければならないために予報限界が短くなると考えられる。また、この事例の成層圏温度と東西風の予報精度が、対流圏の北米西岸及びシベリア上空でおきたブロッキング構造をうまく予報できるかどうかに依存していることが回帰分析により示された。予測しにくいとされるブロッキングの予報精度の良し悪しが、突然昇温の予報精度に大きく関わってくると考えられる。2001年12月に生起した東西波数1型の成層圏突然昇温についても大西洋上のブロッキング構造との強い関係性が報告されているが、今回の東西波数2型の事例においても成層圏突然昇温とブロッキング構造との強い関係性が示唆されたことは、非常に興味深い結果である。以上の成果は、国内学会、および国際学会で発表し、学術雑誌への投稿論文としてまとめた。
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