研究概要 |
本年度は,地方都市圏である徳島都市圏をフィールドとして,(1)大型店出店規制の運用とその変遷に関する研究,(2)大型店の立地動向に関する研究,(3)中心市街地における大型店閉店に関する研究,(4)郊外自治体の大型店誘致プロセスに関する研究,(5)小売企業による出店・競合に関する研究,を主に行った. (1)に関しては,徳島商工会議所の関係者へのインタビュー調査や商工会議所記念誌・内部資料(年次報告書)の収集を行い,徳島都市圏における大型店出店規制の運用がどのようになされてきたかを,全国傾向と比較しながらとりまとめた.(2)に関しては,徳島県庁および徳島商工会議所,経済産業省の関係者へのインタビュー調査や大型店リストの収集を行い,徳島都市圏における大型店の出店・閉店に関するデータベースを作成した.(3)に関しては,徳島商工会議所の関係者へのインタビュー調査や新聞記事を収集し,中心市街地における大型店閉店プロセスをとりまとめた.(4)に関しては,徳島県庁都市計画課の関係者へのインタビュー調査および内部資料(地区計画の策定など)・新聞記事を収集し,郊外自治体の大型店誘致に至るまでのプロセスに関する情報を収集した. 上記(1)〜(4)に関しては,地元大学の地理学者およびシンクタンクの研究者と勉強会を行い,意見交換を行った.(5)に関しては,小売企業として食品スーパー業態を取り上げ,徳島県における食品スーパーの立地展開を開店日,資本,店舗面積などから整理し,現在までの食品スーパー業界の立地展開を明らかにした.また,内容の一部を2008年度東京大学空間情報科学研究センター年次シンポジウム(2008年12月1〜2日開催,東京大学柏キャンパス)にて,「資本に着目した食品スーパーの立地動向とその再編成-徳島県を事例として-」の題目で,口頭およびポスター発表を行った.
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