研究課題/領域番号 |
07J00658
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
原島 瑞 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アネキシンA3 / 肝再生 / 肝細胞増殖因子 / 肝細胞増殖 / アネキシンA3結合タンパク質 / プロスタグランジンE2受容体 / DNAマイクロアレイ / 抗肝細胞増殖因子抗体 |
研究概要 |
アネキシンA3(AnxA3)は肝細胞の培養に伴い発現し、RNA interference(RNAi)を用いた検討から初代培養ラット肝細胞において増殖促進に関与することが明らかになっている。また、増殖が抑制される条件では発現が低下する。さらに、肝再生モデルにおいてAnxA3は肝細胞で発現が増加し、この発現は抗HGF抗体により抑制されることを明らかにした。 四塩化炭素の投与によりAnxA3の発現を増加させたラットの肝臓から肝細胞を分離してクロスリンキングした結果、AnxA3は約64kDaのタンパク質と複合体を形成することが明らかになった。従って、約64kDaのタンパク質が増殖のシグナル伝達に関与する因子であると仮定すると、AnxA3はそのタンパク質を活性化することにより増殖を促進する可能性が示唆された。そこで他のAnxの結合タンパク質として知られているものの中で、分子量が64kDaであるタンパク質を文献的に検討した。その結果、AnxA1の結合タンパク質であるFPRが分子量約64kDaであることが明らかとなった。そこでAnxA3結合タンパク質がFPRである可能性を検討した結果FPRはAnxA3結合タンパク質ではない可能性が示唆された。 さらにAnxA3の増殖における作用機構を明らかにすることを目的とした研究の一環として、RNAiによりAnxA3発現をノックダウンした培養肝細胞を用いて、DNAマイクロアレイを行った。その結果、その結果コントロールsiRNAを導入した場合と比較して、AnxA3 siRNAにより156個の遺伝子の発現が50%以下に低下し、1215個の遺伝子の発現が検出限界以下まで低下することが明らかになった。その中には肝細胞の増殖に関与するプロスタグランジンE2受容体のサブタイプであるEP2が含まれていた。従って、AnxA3はEP2の発現を増加させることにより増殖を促進する可能性が示唆された。
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