研究課題/領域番号 |
07J00732
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
遠藤 真咲 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え技術研究ユニット, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | イネ / 細胞周期 / ジーンターゲッティング / 相同組み換え / アラビドプシス |
研究概要 |
細胞周期制御による相同組換え効率の向上 オープンなクロマチン構造をとり、姉妹染色分体の存在する細胞周期S-G2期は、DNA損傷修復機構として相同組換え修復が選択されやすい時期である。そこで、遺伝子相同組換え機構を利用するジーンターゲッティングの効率を向上させるには、S-G2期を延長させることが有効であると考え、イネ、シロイヌナズナを用いて、S-G2期延長法の確立を目指した研究を行っている。H20年度は、G2/M期の進行遅延を目的として、G2/M期の移行に関わるCDKB2の発現を抑制したイネを作出し、表現型の解析を行った。OsCDKB2恒常的RNAiを導入したイネカルスの核相を測定したところ、2Cの減少および、4Cの増加が観察され、予想通りG2/M期の進行遅延が生じていることが明らかとなった。しかし、OsCDKB2の恒常的な発現抑制は、再分化後のイネの生育に阻害的な効果を及ぼしたため、薬剤の添加により発現誘導が可能なOsCDKB2誘導的RNAiコンストラクトを作成し、形質転換を行った。誘導的RNAi形質転換カルスにおいては、G2/M進行阻害が薬剤の添加、除去により可逆的に制御可能であることを確認した。次世代の獲得を待って、ジーンターゲッティング効率の評価を行う予定である。また、OsCDKB2RNAiを導入した系統の一部では、8Cや16Cといった高次倍化が観察され、高次倍数性を示す細胞では核内染色体数も倍加していたことから、OsCDKB2の発現抑制は、endomitosisを誘導することが明らかとなった。イネにおいては胚乳以外の組織でDNA量の倍加が生じた報告はこれまでないことから、本発見は、イネ科植物の倍数性進化を考える上でも大変興味深いものであり、その理由については今後詳細な解析を進めていく予定である。
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