研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、二級アミン型有機分子触媒であるビナフチル型アミン触媒を用いることで、従来のピロリジン型アミン触媒では困難とされる反応の精密制御を目指した。ビナフチル骨格の3位へ高い酸性度を有した活性化基であるトリフルアミド基を導入した触媒を用いて、芳香族アルデヒド由来のイミンとアルデヒド間の直截的不斉Mannich反応を試みた。光学活性ピロリジン型触媒の代表と知られるプロリンを触媒として用いた反応では、アルデヒドの直截的不斉Mannich反応がシン選択的かつ高エナンチオ選択的に進行することが知られているが、触媒構造やその電子的性質の全くことなるビナフチル型アミン触媒を用いたところ、高アンチ選択的かつ高エナンチオ選択的に反応が進行し、目的の化合物が高収率で選られた。本反応においては、エナミン経由型の反応としては初めてアンチ選択的な芳香族イミンの直截的Mannich反応が実現されている。また本反応で用いた触媒はピロリジン型アミン触媒と比較して穏やかな求核性を有しているため、高反応性の基質を利用する反応において、副反応の抑制が期待出来る。そこで反応性が高く反応の制御が困難とされるアセトアルデヒドを基質としたマンニッヒ反応に本触媒を適用してところ、良好な収率かつほぼ完全なエナンチオ選択性で目的の生成物を得ることに成功した。
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Angewandte Chemie International Edition 48
ページ: 1838-1840
Angew. Chem., Int. Ed. 46
ページ: 1738-1740