研究課題/領域番号 |
07J01393
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 美菜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | カンボジア / トンレサープ湖 / 小規模漁業 / インタビュー調査 / 流通機構 / 仲買業者 / 水産開発 / トンレサーブ湖 |
研究概要 |
カンボジア、トンレサープ湖周辺において小規模漁業者による漁獲物がどのような経路で流通にのっているのかを調べた。 小規模漁業は自家消費的な活動であるが、漁業者による漁獲物は、家庭消費する分を取り置き、販売される。漁業者は自ら販売活動は行わず、仲買業者を通じて、漁獲物を現金化する。仲買業者は、魚種や魚体サイズ別に買い取り価格を決めており、買い取った魚は氷詰めで保存する。一定量が貯まると、トラクターに載せて、首都のプノンペンやタイ国境のバンテアイミエンチェイ州ポイペトへと転売していた。転売先は魚種によって異なっており、主にプノンペン、タイ国境、ベトナム国境の3ヶ所へと転売されていた。多くの仲買業者は、漁民に貸し付けを行うことで、その返済期間に独占的に漁獲物を買取る約束をしていた。この約束に強制力はなく、あくまで口頭約束であり、相互の信頼関係に基づくものであった。しかし、水産物の水揚場には多くの仲買業者がいることから、魚の買取競争は熾烈であった。一般的に流通においては、仲買業者の方が漁業者を搾取することが見られることも多いが、トンレサープ湖周辺においては、漁業者の方に有利な状況であった。これには、仲買業者の数が多いこと以外に、インフラの未整備から、魚の鮮度が落ちやすく、なるべく早く多くの魚を買い集めなくてはならない仲買業者の事情があった。また、運搬に関わるコストが非常に高い、不当な税金支払いや非現実的な関税制度などが、このような状況の背景にあると考えられた。 以上の研究から、カンボジアの水産業の発展には、インフラの整備により漁獲物の鮮度を上げ、魚価を上げることによって、漁業者の収入を増やす。また、加工工程を国内で行い、付加価値をつけて輸出することが必要であると考えられた。
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