研究課題
特別研究員奨励費
昨年度に続き、文脈内多肢選択式語彙テストにおいて、(a)文脈内の単語と共起頻度が高い錯乱肢、(b)共起頻度は高くないが目標語と意味的関連のある錯乱肢、(c)無関連な錯乱肢の3種類を用意し、実験を行った。具体的には、(a)の錯乱肢のみを含んだテスト、(b)の錯乱肢のみを含んだテスト、(c)の錯乱肢のみを含んだテストの3種類を用意し、どの種類のテストにおいてもっとも難易度が高くなるのかについて、141名の大学生を対象として調べた。その結果、(b)の錯乱肢のみを含んだテストが最も難しくなっており、これは昨年度に実施した錯乱肢の引き付けやすさの研究結果と一致した。この結果については、海外学会においてポスター発表を行った。このほか、上記の問題を用いて20名の大学生に対して発話プロトコルを行いながらテストを受験してもらい、テストに解答する際のプロセスを調べた。この結果、どの錯乱肢を使用した場合でも消去法ストラテジーを用いる割合は変化しなかったが、消去法ストラテジーを使用した場合の正答率には違いが見られた。具体的には、(c)の錯乱肢のみを含んだ問題のみにおいて消去法ストラテジーが有効に働き、(a)や(b)の錯乱肢を含んだテストでは消去法ストラテジーは必ずしも有効なストラテジーではなかった。従って、消去法ストラテジー自体の使用頻度を減らすことは難しいが、無関連な錯乱肢の使用を避けることで、文脈内多肢選択式語彙テストの妥当性を高めることができる可能性が示唆された。この結果は論文として発表されることが既に決定している。
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Annual Review of English Language Education in Japan 20(印刷中)
110008512378
JLTA Journal 11
ページ: 109-123
Annual Review of English Language Education in Japan 19(印刷中)
JLTA Journal 10
ページ: 68-87
ページ: 56-67