研究課題/領域番号 |
07J01858
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物多様性・分類
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 啓 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 高山植物 / ゲノム進化 / 系統地理 / 分断分布 / 適応進化 / フィトクロム |
研究概要 |
昨年度の結果から、フィトクロムの一つであるPHYEが中部地方と北日本のミヤマタネツケバナにおいて地域適応に関わっていることが示されていた。このPHYEが高山植物において地域適応に重要であることを補完し、PHYEが高山植物一般に地域適応に関わっていることを示すために、以下の2つの研究を進めた。 1つ目には、フィトクロムとは異なる波長の光を受容するクリプトクロム(CRY)遺伝子が、ミヤマタネツケバナにおける地域適応に関わっているかを検討した。その結果、クリプトクロムは分子進化的には地域適応には関与せず、PHYEのみが重要な受容体であることが強調された。 2つ目の研究として、他の高山植物においてもミヤマタネツケバナ同様に、PHYEが日本列島における地域適応に関わっていることを検討した。コメバツガザクラ(ツツジ科)からPHYEの遺伝子を単離し、その地理構造を評価した。その結果、コメバツガザクラにおいて、PHYEが緯度に沿った適応に関与している可能性が示された。このことは、コメバツガザクラにおいても、PHYEが南北間での地域適応に関わっていることを示唆された。このようにして、本年度の研究から、日本列島の高山植物における地域適応には、PHYEが重要な役割を果たしていることを強調することができた。PHYE遺伝子の機能は現段階では明確には分かっておらず、その地域適応への関与は本研究により初めて示された。PHYE遺伝子は被子植物に比較的広くみられる。そのため、この発見はPHYE遺伝子が地域適応に関わることで、植物の適応進化に普遍的に重要な因子である可能性を示唆している。
|