研究課題/領域番号 |
07J02011
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 慶太郎 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 宇宙磁場 / ガンマ線バースト / 活動銀河核 / インフレーション / 宇宙論的摂動 / 宇宙論的摂動論 / 宇宙背景放射 / 重力波 |
研究概要 |
宇宙には様々なスケールで磁場が存在することが知られているが、その起源には諸説ありいまだ確定していない。報告者は初期宇宙におけるプラズマの微小な密度揺らぎから磁場が生成され、それがダイナモ機構によって増幅されたというシナリオについて研究している。そこでまず初期宇宙における電子・陽子・光子それぞれの揺らぎの運動を解析し、電場・磁場・電流などがどのようにして生成されるかを明らかにした。そしてさらにどの程度の強さの磁場が生成されるのかを評価した。これによると宇宙のいたるところに微弱な磁場が存在することが予言された。 またこのシナリオを検証するためには天体活動が抑制されているボイド領域に存在すると予言される微弱な磁場を検出する必要がある。そこでガンマ線バーストや活動銀河核からの高エネルギーガンマ線に由来する遅延ガンマ線を用いて微弱磁場を検出する方法を提案し、基本的な定式化をおこなった。遅延ガンマ線のスペクトルや光度曲線を評価することによってFermi衛星やMAGIC望遠鏡などのガンマ線観測装置を用いてどの程度弱い磁場を検出できるかを評価した。もし将来この微弱な磁場が検出できれば磁場の起源のシナリオが検証されるだけでなく、宇宙初期に存在する揺らぎの大きさを測定することもでき、その揺らぎを量子論的に生成したインフレーション宇宙についての情報も得られると期待される。特にこの方法では宇宙背景放射や銀河サーベイでは測定できない小スケールの揺らぎの大きさを測ることができ、これまでの宇宙論的観測と相補的な役割を果たすと考えられる。
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