研究課題/領域番号 |
07J02046
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物分子科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 葉子 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 天然物化学 / 就眠運動 / 分子プローブ / 受容体 / ジャスモン酸 / 光学分割 |
研究概要 |
本研究は分子プローブを用いて就眠運動の分子機構解明を目指した生物有機化学的研究である。アメリカネムノキ(Albizzia saman)は夜になると葉を閉じ、朝には再び葉を開く就眠運動を行う。Potassium β-D-glucopyranosyl-12-hydroxyjasmonate(1)はAlbizzia属植物の葉を閉じさせる活性を持つ就眠物質(Leaf-closing factor: LCF 1)として単離された。本研究では1を基にした分子プローブを用いて就眠運動の分子機構の解明を行った。生体内では、天然型立体配置をもつ生理活性物質のみが受容体などの結合タンパク質と正しい相互作用を行うことで生命活動が維持されている。この点に着目し、光学的に純粋な生理活性物質を基にした天然型プローブとそのエナンチオマーを基にしたエナンチオマー型プローブを用いた実験結果を比較することで、リガンドーレセプター相互作用による特異的結合と、吸着などによる非特異的結合を完全に区別する「エナンチオ・ディファレンシャル法」を考案し、就眠物質1を用いる研究にこれを適用した。まず、エナンチオ・ディファレンシャル法による1の標的細胞探索を試みた。天然型立体配置を持つ天然型蛍光プローブとエナンチオマー型蛍光プローブを光学的に純粋に合成した。それらのプローブを用いた実験結果を比較したエナンチオ・ディファレンシャル蛍光実験により、就眠物質1の標的細胞が葉枕の運動細胞であることを明らかにした。次に天然型光親和性プローブとエナンチオマー型光親和性プローブを合成した。1の標的細胞である運動細胞から調整したプロトプラストを用いたエナンチオ・ディファレンシャル光親和性標識化実験により、1の立体化学を正確に認識する膜タンパク質を発見した。これは就眠物質1の受容体候補タンパク質として極めて有力であると考えられる。
|