研究課題
特別研究員奨励費
乳酸菌の有効利用のためには腸管付着メカニズムの解明が非常に重要である。これまでにヒト大腸ムチンに対し高い付着性を有するLactobacillus plantarum LA318株の付着因子グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)がABO式血液型抗原に高い付着性を示すことを明らかにした。また、GAPDH側の糖鎖認識部位を明らかにするため、NAD^+による阻害試験を行った結果、N-末端側のNAD結合ドメインが結合に関与しているのではないかと考えられた。そこで本年度では、結合部位を明らかにするためGAPDHの(1)全体、(2)N-末端側のみ、(3)C-末端側のみ、(4)C-末端側の一部欠損の4つのリコンビナント体の発現を試みた。目的のDNA断片をEscherichia coli BL-21に組み込み、トランスフォーメーションを行った。PCRにて目的断片DNAの挿入を確認後、IPTGにより発現誘導をかけ37℃、5時間培養を行ったところ、目的の位置に発現タンパク質と思われるバンドを確認できた。さらに、Ni-NTAを用いたWestern blottingによりリコンビナントタンパク質の存在を確認できた。次にリコンビナントタンパク質の発現の条件検討を行ったところ、100mM IPTG 10μL添加、37℃、5時間、200rpmでの培養が適当であると判断した。リコンビナントタンパク質は全て8M尿素画分で検出されたことから封入体を形成していると考えられた。そこで封入体画分からのHisTrap HPカラムを用いてリコンビナントタンパク質の精製を行った。今後、これらの精製リコンビナントタンパク質の酵素活性を指標としたリフォールディング確認を用い、HCMや血液型抗原に対する結合を解析し、大まかな結合部位を決定する。さらにアミノ酸置換などを行い、詳細な結合部位を特定する予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (13件) 備考 (2件)
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http://www.agri.tohoku.ac.jp/douka/index-j.html