研究課題/領域番号 |
07J02680
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 まゆ子 東京大学, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ウミタナゴ / 母仔間移行 / 有機塩素系化合物 / サクラマス / 食物連鎖 / 生物濃縮 / 生活史 |
研究概要 |
1.卵胎生ウミタナゴを用いた母仔間移行研究 大槌湾にて採集したウミタナゴの親魚(n=25)と胎仔(n=10)中の有機塩素系化合物(OCs)濃度を調査した。胎仔は出生直前に指数関数的に汚染物質を体内に蓄積していることが明らかとなった。これは、親魚の血液に含まれるリポ蛋白のうち有機塩素系化合物と親和性の高い種類が妊娠後期に分泌されるためであることが推測された。最終的に胎仔中の濃度と親魚中の濃度は平衡に近い値を示した。これは妊娠期間の長い卵胎生魚に特徴的であることが考えられ、胎仔への危険が高いことが明らかとなった。 2.サケ科魚類におけるOCsの蓄積特性 サクラマスは降海する降海型と一生を河川で過ごす残留型が存在する。降海型サクラマスは約1年半の河川生活ののち、降海する。約1年後に母川回帰し、遡上後約4ヶ月河川で成熟を待ってから産卵する。各成長段階におけるOCs蓄積を調べるために、幼魚から回帰親魚まで幅広い生殖腺指数(GSI)を持つサクラマス中のOCs濃度を調べた。海洋生活期を経たサクラマスは降海直後と比較して筋肉中で最大58倍、肝臓中で最大11倍にOCs濃度が増加した。卵形成の時期が近くなるにつれ、肝臓へと脂肪は集中する。この時、OCsの肝臓中濃度が筋肉中濃度の約7倍となり、降海直後の約4倍と比較すると高い値を示した。このことから、OCsも脂肪とどもに肝臓へと移行することが示唆された。卵形成がさらに進むと肝臓中で合成された脂肪や蛋白が卵へと移行し、肝臓中OCs濃度は徐々に減少した。肝臓中OCs濃度はGSIが5%付近で筋肉中濃度と並び、最後には筋肉中濃度より下回ることが明らかとなった
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