研究概要 |
次世代心臓外科手術のための手術誘導システムの実現に向けて,19年度に開発した高時間分解能四次元CT/MRI画像生成法及び20年度に開発したリアルタイムIV立体像表示システムを活用して,リアルタイム立体像表示を用いた手術誘導システムの開発を行った.20年度までは、3D/4D超音波画像のリアルタイムリ立体像表示システムを構築し,invivo実験で臨床可能性を検証したので,21年度では臨床に向けて実際の手術に必要な機能を開発し,invivo実験で更に検証を行った. 1.リアルタイムIV立体像表示システムの最適化・安定性向上を行った.GPU計算を用いたIV立体像レンダリングアルゴリズムを最適化することにより従来のCPUレンダリングと比べて最大302倍の高速化が得られた. 2.色・透明度を表現可能な高画質なIVレンダリングアルゴリズムを開発し,IV画像の奥行き感の向上した. 3.GUIに関しては,リアルタイムIV像表示システムを3D Slicerの拡張モジュールとして開発した.そうすることにより,3D Slicerの他のモジュールと組み合わせることができ,様々なアプリケーションに応用可能になった. 4.手術器具のIV立体像表示方法を開発する.手術器具をモデル化して光学系位置計測装置で位置・姿勢を追従しながら手術器具を臓器と共にIV立体像として表示するシステムを開発する. 5.リアルタイムIV立体像表示システムの有効性を評価するために,従来の疑似三次元表示システムと比較を行って,ターゲティング時間を最大50%短縮されるという結果が得られた. 6.リアルタイム三次元超音波画像の臨床応用可能性を評価するために,invivo実験を行った.拍動しているブタの心臓をリアルタイム三次元超音波のIV立体像で表示し,手術器具を僧房弁に誘導する実験を行った.動いている僧房弁及び手術器具を共に視覚化でき,時間遅れも感じない程度であるなど臨床応用可能性は十分あると,専門医師から意見を頂いた.
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