研究課題/領域番号 |
07J03503
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 伸一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | シャブタイ派運動 / メシアニズム / カバラー / 反律法主義 / メシア運動 / ユダヤ思想 |
研究概要 |
当初の研究計画が、ゲルショム・ショーレムによる先行研究の批判的検討であったのに対して、以下に述べるように、当該年度の研究の過程において、より新規性に富む視点からシャブタイ派運動を分析することができた。 そのなかで私が研究の目的として設定したのは、シャブタイ派思想における反律法主義の起源の解明であり、これはシャブタイ派思想のカバラーの性質を究明しようとした所期の目的をより厳密にしたテーマである。律法主義(nomism)を本質とするユダヤ教において、戒律の変更と更新を目指す反律法主義(antinomism)は、単に律法を副次的に理解する非律法主義(anomism)とは区別されねばならない。現段階の想定によれば、メシアの時代における救済の実現のために行われた祭日、慣習、戒律の大胆な変更は、(1)ツファット盛期のカバラー、及び(2)中世の占星術に影響されていた現象である。反律法主義の起源を研究するために、それぞれの点について以下のことを研究した。 (1)ツファット盛期のカバラー(16世紀にパレスチナの小都市で起こったカバラーの復興運動)においては、神秘家によって伝統的な戒律や慣習がより厳密に規定され直したことが知られている。このカバラー的律法主義を終末論的に解釈したのが、シャブタイ派の反律法主義であることを立証する。 (2)中世の占星術は、ユダヤ教徒、キリスト教徒、ムスリムなど宗教の枠組みを越え、多くの知識人が共有した普遍的な学問領域であった。すでにカバラーはその初期から占星術を採用しており、こうした言説のなかには、反律法主義的な性格のものが存在する。シャブタイ派文献のなかにもその影響が見られるため、その関連性を一次資料に依拠しながら研究する。 現在のところ、研究成果の発表にはいたっていないが、以上の論点はシャブタイ派思想研究においては、極めて本質的かつ独創的な試みであると考える。
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