研究課題/領域番号 |
07J03963
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 東京大学 (2009) 佐賀大学 (2007-2008) |
研究代表者 |
藤井 健太 東京大学, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | イオン液体 / 溶媒和 / 金属イオン / 液体構造 / ナノ不均一構造 / 分離分析 / 金属イオン溶媒和 / 金属イオン錯形成 |
研究概要 |
本年度は主に、(1)低粘性イオン液体中における金属イオン溶媒和とその特異性、(2)イオン液体(IL)中で発現するナノ相分離現象の静的・動的構造について実験・理論の両面から研究を進めた。低粘性を示す1-ethyl-3-methylimidazolium bis(fluorosulfonyl)amide,[C2mim][FSA]中のLiイオン溶媒和構造についてRaman分光法により調べたところ、[C2mim][FSA]中のLiイオンには3つのFSAが配位し、[Li(FSA)3]錯体が平均構造として溶存していることが分かった。この結果は、最も一般的に用いられる[TFSA]アニオンからなるIL中での結果(2つのTFSAがbi-dentate配位子として溶媒和する)とは大きく異なる。高エネルギーX線散乱(HEXRD, SPring-8)および理論的手法により詳細に検討したところ、FSAは酸素原子を使ってLiイオンに配位すること、その配位様式はbidentate FSAが1つ、mono-dentate FSAが2つであることが明らかになった。(2)では、比較的長いアルキル鎖を有するIL中で発現するナノ相分離現象について、小角中性子散乱実験(SANS)、HEXRDおよびMDを駆使し、その静的構造特性を調べた。[Cnmim][TFSA](n:アルキル鎖長数)を研究対象とした。重水素化ILを独自に合成し、同位体置換法を適用したSANS実験を行ったところ、鎖長の増加とともにナノスケールレベルでの構造形成が促進すること、これは主に長距離アニオン相関の成長に起因することが分かった。このことは、HEXRD実験およびMDの結果と良く一致した。最近では、高分解能X線非弾性散乱実験(Spring-8)をIL系に世界で初めて滴用し、ILの集団的ダイナミクス評価に研究を拡張している。
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