研究課題/領域番号 |
07J04236
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 新也 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | モジュラー表現 / 結び目不変量 / Hasse-Weilゼータ関数 / 数論的基本群 / Hermite-Minkowskiの定理 / ガロア表現 |
研究概要 |
本年度は主に、研究目的3.有限生成な群のmod p表現の定める母関数,について研究した。有限生成な群として、8の字結び目の結び目補空間の基本群を考え、その2次特殊線形群への絶対既約表現の同型類の個数の定める母関数について詳しく調べた。このとき母関数が有理関数になっていることは、既に文賢淑氏との共同研究により明らかになっていた。本年度の研究により、母関数をある有理数体上の楕円曲線のreductionの合同ゼータ関数を用いて表すことが出来た。これにより、研究計画にあった関数等式を満たすかどうかという点について、8の字結び目群の2次特殊線形群への絶対既約表現の場合について結論を得ることが出来た。 更に今回の結果を用いて、Hasse-Weil型のゼータ関数を計算することが出来た。8の字結び目は結び目の中でもarithmetic knotと呼ばれ、数論的にも興味深い性質をもつことが期待されるが、得られたHasse-Weil型のゼータ関数は複素平面上への解析接続をもち、関数等式を満たすなど、数論的に興味深い性質をもつものになっていた。また、s=1での中心値を計算したところ、8の字結び目の結び目不変量との関係が存在することが確かめられた。今回の結果は現在考察している母関数の、新しい結び目不変量としての価値を期待させるものであり、大変意義深いものであったと考えられる。他の特殊値、特にs=2の場合にも他の結び目不変量との関連が期待されるが、その点については今後の研究課題である。
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