研究課題/領域番号 |
07J05069
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
押木 守 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ポリヒドロキシアルカン酸 / PHA / 活性汚泥 / PHA蓄積細菌 / 群集構造 / FISH法 |
研究概要 |
平成20年度の実験では、活性汚泥に脱窒条件下で酢酸を摂取させ、PHA蓄積細菌の酢酸摂取速度を評価する実験を実施した。都市下水処理場活性汚泥試料に脱窒条件下で酢酸を摂取させ、酢酸摂取速度とPHA蓄積速度を測定した。また、活性汚泥中で酢酸を摂取した細菌とPHA蓄積細菌をそれぞれMicroautoradiography法および化学染色法で検出し、定量を行った。PHA蓄積細菌が摂取した酢酸の量は全摂取量の84%に及び、PHA蓄積細菌の酢酸摂取速度がその他従属栄養細菌よりも約30倍高いことを確認した。PHA蓄積細菌が脱窒条件下での有機物摂取に大きく寄与する細菌であることを明らかにしたが、ここで摂取された有機物が脱窒反応に効率的に利用されていることを今後確認する必要があった。 また、活性汚泥中に存在するPHA蓄積細菌の群集構造を調査した。PHA蓄積細菌に特異的なFISHプローブを新たに設計し、8箇所の都市下水処理場活性汚泥について解析を行った。その結果、PHA蓄積細菌の群集構造が様々な細菌種によって構成されることを明らかにし、これまで知られていなかったPHA蓄積細菌を複数同定することに成功した。そして、PHA蓄積細菌の群集構造が処理場ごとに異なることを確認した。よって、PHA蓄積細菌群の全体像を把握するためには同様の解析をさらに実施し、知見を蓄積していく必要があることがわかった。また、密度勾配遠心分離法や電子顕微鏡観察を実施し、細胞内で蓄積されたPHA顆粒が細胞外へ漏れ出したと考えられる興味深い現象を捉えた。この現象は微生物生態系における意義および微生物を用いたPHA生産の観点から興味深い現象であり、このマシナリーの解明に向けた研究が今後必要であった。
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