研究課題/領域番号 |
07J05393
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
立和名 博昭 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | クロマチン / ヌクレオソーム / ヒストン / ヒストンバリアント / 結晶構造解析 / シャペロン |
研究概要 |
真核生物のゲノムDNAは、クロマチン構造を形成し、細胞の核内に収納されている。クロマチン構造は、4種類のヒストン(H2A、R2B、H3、H4)からなるヒストン八量体にDNAが1.65回転巻きついたヌクレオソームを基本単位としている。ヌクレオソームの構成因子であるヒストンには、相同性の高いバリアント(ヒストンバリアント)が存在することが知られている。これらのヒストンバリアントを含むヌクレオソームは、それぞれに性質が異なることが考えられている。さらに、細胞は、ヒストンバリアントが形成するヌクレオソームの性質の違いを利用して、複製、転写および修復等のDNA上で行われる様々な反応を制御していることが考えられている。そこで、本研究では、ヒストンバリアントを含むヌクレオソームの立体構造の解析により、クロマチン構造の機能を明らかにすることを目的とした。また、ヌクレオソーム構造の基礎は、H3/H4とDNAとの複合体であり、ヒトにおいてH4のバリアントは同定されていないことから、ヒトのH3バリアントを含むヌクレオソームに着目した。今回、解析に成功したのは精巣で高発現が確認されているH3tを含むヌクレオソームの立体構造である。リコンビナントヒストンとして精製したヒストン(H2A、H2B、H3t、H4)を用いて、ヌクレオソームを形成させるその結晶化を行った。得られた結晶を用いて、X線結晶構造解析を行った結果、2.8Åの分解能でH3tを含むヌクレオソームの立体構造の決定に成功した。決定した立体構造から、H3tを含むヌクレオソームは、一部のヒストンとDNAとの相互作用が無くなっていることが分かった。このことからH3tを含むヌクレオソームは、他のH3を含むヌクレオソームより不安定であることが考えられた。このことは、精子形成に伴うクロマチンの再編成にH3tが関与している可能性を示唆している。
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