研究課題/領域番号 |
07J06347
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒木 和憲 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 中世 / 近世 / 対馬宗氏領国 / 対馬藩 / 朝鮮 / 日朝交流 / 海域アジア / 柳川氏 |
研究概要 |
本研究の骨子は、I「環玄界灘地域の政治構造の解明」、II「環玄界灘地域の経済構造の解明」であり、本年度はIを具体化する個別テーマとして、(1)「宗氏領国と室町幕府」、(2)「対馬宗氏と肥前松浦氏・壱岐日高氏」、(3)「宗氏領国・柳川氏と豊臣政権」を設定した。これらの研究課題を遂行するため、東京大学史料編纂所・国立公文書館・長崎歴史文化博物館において中近世日朝交流史にかかわる史料の調査をおこなうとともに、佐賀県・長崎県において「松浦党」の根拠地であった港町の現地調査をおこなった。 具体的な成果としては、まず『中世対馬宗氏領国と朝鮮』(山川出版社、2007年11月)を刊行し、「環玄界灘地域」論の基礎づくりをした。また、個別テーマ(3)について、「一六世紀末期対馬宗氏領国における柳川氏の台頭」(九州史学研究会編『境界からみた内と外』岩田書院、2008年刊行予定)を成稿した。これは中世末期から近世初期にかけての宗氏領国(対馬藩)の政治・外交において重要な地位をしめた柳川氏の台頭過程を解明したものであり、この時期の日朝外交を正確に理解するうえできわめて有用な成果である。さらに、個別テーマ(3)から派生した成果として、「日朝開戦前夜の対馬宗氏領国」(九州国立博物館「朝鮮通信使400周年記念」国際研究集会、2007年12月)を口頭発表し、現在、成稿中である。これは中世から近世初期にかけての宗氏領国の政治構造と日朝外交とのかかわりを検討したものであり、宗氏重臣立石氏から柳川氏へと政治・外交上の権限が移行したことを解明したものである。これらの成果をあわせることで、中世日朝外交と近世初期日朝外交とを連続的にとらえることができるようになったことの意義は大きい。なお、個別テーマ(1)・(2)については、基礎的な作業をほぼ終了しており、現在、成稿の準備段階である。
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