研究課題/領域番号 |
07J06449
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 洋 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 重い電子系 / フェルミ面再構成 / 変分モンテカルロ法 / 不純物問題 / 局所フェルミ流体 / 反強磁性転移 / 近藤格子模型 / 周期的アンダーソン模型 |
研究概要 |
近年、de Haas-van Alphen効果をはじめとした重い電子系のフェルミ面に関する実験が詳細に行われるようになり、大きな注目を集めている。特に反強磁性転移点を境にフェルミ面トポロジーの変化が起きていることがいくつかの実験から明らかになってきた。これは従来の反強磁性転移の理論では理解できない点も多く、新たな描像の必要性が主張されている。我々はこの現象に着目し、近藤格子模型と周期的アンダーソン模型に変分モンテカルロ法を適用して基底状態における反強磁性転移とフェルミ面の変化を解析した。その結果、従来の反強磁性転移の他にフェルミ面トポロジーの変化を伴う新しいタイプの相転移(フェルミ面再構成)が存在することを示すことが出来た。相図中には反強磁性転移とフェルミ面再構成が同時に起こる領域が存在し、実験結果を説明し得ると考えられる。 また、同様の計算手法により、f電子がランダムにドープされた近藤格子模型の基底状態を調べた。f電子数の変化に伴って系はlocal Fermi liquidからheavy Fermi liquidへのクロスオーバーを起こすと期待され、多くの実験でも確認されているが、理論的には不明な点が多い。我々は交換相互作用のドーピング依存性から、f電子のコヒーレンスが成長し始める密度と近藤スクリーニングに必要な伝導電子が不足し始める密度を見出した。これらの密度は上述したクロスオーバーに深く関わっていると考えられる。この結果は、不純物配置を平均的に取り扱った先行研究では得られなかったものであり、本研究がこのタイプの不純物問題に対して有効であることを示唆している。
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