研究課題/領域番号 |
07J06931
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島田 林太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ハイパーラマン分光 / 分子近接場 / 非線形ラマン分光 / 溶質溶媒間相互作用 / β-カロテン |
研究概要 |
「分子近接場効果」の定式化及び、昨年度開発した励起波長可変ハイパーラマン分光装置を用い、「分子近接場効果」の励起波長依存性の測定を行った。また、並行して装置改良を行い、従来の半分の時間で偏光測定が可能になった。その結果以下に挙げる3点について新たな知見を得ることができた。1)従来の共鳴ハイパーラマン散乱の理論を拡張し、溶媒-溶質間の相互作用を分子間振電相互作用としてあらわに取り込むことで、「分子近接場効果」の定式化を行った。2)信号強度の励起波長依存性の測定から、β-カロテン存在下で「分子近接場効果」により増強効果を受けた溶媒由来のバンドは、溶質分子の電子状態に共鳴することで増強効果を得ていることを明らかにした。さらに(1)で構築した理論により、この励起プロファイルを説明できることを示し、本現象の発現機構に分子間の振電相互作用が深く関与していることを明らかにした。3)偏光の向きにより光の進行方向を僅かに変えることができる光学素子を新たに装置に追加することにより、異なる偏光の信号の同時測定を可能にした。その結果、これまでの半分の時間で偏光解消度測定が可能になった。増強された溶媒の信号の偏光解消度は、溶媒分子が本来示すべき値と大きく異なり、溶質が単一励起電子状態に共鳴していると仮定した場合の偏光解消度と同じ値を示すことが分かった。これは、増強された信号が、溶質の電子状態によって共鳴効果を受けていると考えることで説明でき、(1)や(2)の結果を裏付けるものである。
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