研究概要 |
超新星爆発で形成される中性子星にも、回転駆動型の電波パルサー、降着駆動型のX線パルサー、磁気駆動型のマグネターなど多様な種類が存在することが明らかになって来た。23年前に発生した超新星爆発SN 1987Aの後には、カミオカンデで観測されたニュートリノの予測から、中性子星が存在すると予想され、これを発見してどのような種類かを明らかにすることは、超新星爆発とそれに伴うコンパクト天体形成を考える上で大きなインパクトを与えると期待できる。「すざく」衛星の硬X線検出器(HXD)をもちいた時間変動解析ではSN 1987Aのパルサーの発見には至っていないものの、HXDの検出感度を生かした観測として磁気駆動型マグネター天体の網羅的な観測を提案し、解析した9天体中7天体から、10keV以上で卓越する新たなハード成分の検出に成功した。特に、2008年度に緊急観測した新発見のマグネター天体SGR 0501+4516(Enoto et al., ApJL, 2009)に加え、2009年1月に激しい活動性を示したマグネター1E 1547.0-5408からは初めて10keV以上のハード成分を明確に検出し、世界に先駆けて論文として発表した(Enoto et al., PASJ, 2010)。さらに、2009年度の「すざく」衛星の重点観測項目として採択された天体や、これまでのアーカイブデータを全て統一的に観測した結果、よく知られていた0.5keVほどの黒体放射に対する極めて硬い光子指数をもつハード成分の放射強度は、天体の特性年齢に強く相関することを発見した。また、ハード成分の光子指数が特性年齢に依存することも明らかと成った。これの研究成果はX線スペクトル解析から、マグネターにスペクトル進化を発見したといえ、今後のマグネターのX線観測のマイルストーンのひとつになると期待でき、現在、Astrophysical Journal Letterへの投稿準備を進めている。
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