研究課題
特別研究員奨励費
1)抗IAA抗体によるIAAの免疫組織科学法の確立昨年度までの研究報告にもあったように、トウモロコシ幼葉鞘では重力刺激後にIAA偏差分布が形成され、またIAA合成部位である先端部ではNPAやBFAなどのIAA輸送阻害剤の処理によりIAAの蓄積が観察されることがわかっている。IAA合成部位である幼葉鞘先端において免疫組織科学的手法によりIAA合成細胞を特定するためには、まず使用する抗体のIAAに対する特異性を調べ、先に述べたような実際のIAA量の変化を検出できるようにするための技術開発が必要である。まず、IAA抗体シグナルは微弱であるため、アルカリフォスファターゼ結合型の二次抗体を用いたシグナル増幅法を用いることで、小さなシグナルを確実に検出することを考えた。そしてIAA抗体(mouse ; monoclonal antibody)の組織化学的検出における特異性を、二次抗体のシグナルの強さとGC-MSによるIAA定量値を比較することで検討を加えた。その結果、本IAA抗体は結合型IAAを認識せず、IAAを特異的に認識し得ることがわかった。2)幼葉鞘におけるIAAの分布とNPAによるIAAの蓄積部位幼葉鞘におけるIAAの分布を詳細に観察したところ、IAAは主に内表皮を中心に分布しており、また外表皮にも存在していることが示された。幼葉鞘先端2mm以内で最もIAA合成活性が強い部位を特定するため、NPAによりIAAが特に蓄積する部位を特定することを試みた。GC-MSの結果と同じく0.5-1.5mmの部位で強いシグナルが得られた。これらより、この領域にIAAを最も活発に合成する細胞(群)が存在することが示唆された。
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Plant Signal.Behav. (印刷中)
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