研究課題
特別研究員奨励費
多項式方程式系を解くための数値計算手法の一つである多面体的ホモトピー法においてそのホモトピー関数を構築するための並列手法を提案した。一般に、ホモトピー法とは、ホモトピー関数が定義するパスと呼ばれる解曲線を数値的に追跡することで、解きたい多項式系の孤立解を計算する数値手法である。多面体的ホモトピー法は、従来のホモトピー法に比べて、生成されるパスの本数が少ないという利点を持つ反面、多項式系の規模が大きくなると多面体的ホモトピー関数を構築するための計算コストは劇的に増加する。私は共同研究者とともに、効率的に多面体的ホモトピー関数を構築するアルゴリズムを2007年度に発表した。今年度は、そのアルゴリズムの並列化をおこなっに。この並列アルゴリズムはマスターワーカー方式を採用し、複数のワーカープロセッサー間の負荷を均等にするための手法を組み入れた。その結果、これまでは不可能だと考えられてきた大規模な多項式方程式系に対して、多面体的ホモトピー関数の構築ができるようになった。この成果は、実際の応用上、興味深い多項式方程式系の解の様子を実際に調べる際に役に立つと思われる。また、私は特殊な代数構造を有する行列の集合に対して、その構造を明らかにするための数値計算手法に興味を持っている。その際、行列の固有値の重複度が重要な役割を果たすが、数値的にこれを求めるのは困難である。私は、近年、活発に研究されている一変数多項式の因数分解を行うための数値的に安定した計算手法を利用できないかと研究を行っている。
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Software for Algebraic Geometry, I.M.A. Volumes in Mathematics and its Applications
ページ: 59-79
Discrete and Computational Geometry 37(3)
ページ: 351-367
Preprint (印刷中)
http://www.is.titech.ac.jp/~mizutan8/index-j.html