研究課題/領域番号 |
07J08086
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
土屋 聡 東京学芸大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 中国古典文学 / 六朝時代 / 文人 / 書誌学 / 国際情報交換 / 中国 |
研究概要 |
平成21年度は、以下の三点の課題について研究を行った。 一、六朝宋元嘉年間の政治と文学文人官僚の地位の変遷を明らかにするという研究課題として、文帝(407~453)元嘉年間(424~453)後半の北伐の失敗が、六朝宋の鮑照(414?~466)の文学活動に及ぼした影響を検証する必要性が生じた。そこで、鮑照が宮廷文壇から乖離してゆく経緯を改めて見直し、孝武帝期における創作態度の転換、門閥貴族に接近しながらの体制批判という矛盾、主要な作品間の心情的な繋がりなど、その後半生における文学活動の実態について明らかにした。 二、漢魏六朝文人の別集編纂状況についての調査一昨年度に調査を行った上海図書館蔵『鮑氏集』十巻について更に精査を加え、旧蔵者孫毓修(1871~1922)が基づいた第二の毛斧季校宋本の存在を推定するに至った。このことは、『四部叢刊』所収上海涵芬楼影印毛斧季校宋本『鮑氏集』の補正が可能になったことを意味する。また、鮑照別集の主要なテキストを用いて校勘表を作成した。その際、上記の上海図書館本や最近刊行された影印本(中国国家図書館蔵毛氏汲古閣影宋抄本)など、宋本系テキストの充実に努めた。 三、文人官僚における隠逸文学の受容六朝・唐文学史の連続性を考究しようとする場合、関鍵を握る人物は陶淵明(365~427)である。陶淵明の隠逸文学が六朝後期以後の文人官僚に与えた影響は、忽視できない。報告者は、陶淵明・鮑照・謝〓(464~499)の詩歌について幾つかの関鍵語の継承関係を調査し、その受容の経路を闡明した。陶淵明受容史は、その劈頭に鮑照や謝〓を配置することによって、はじめてその展開過程を説明づけられるものであり、唐代以降の陶淵明への再評価は、この延長線上にあると考えられる。
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