研究課題/領域番号 |
07J08122
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
計算機システム・ネットワーク
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 大樹 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | IPネットワーク / TCP / ネットワークプロトコル / 高機能 / 効率性 / 公平性 / フィードバック |
研究概要 |
近年、IP(Internet Protocol)によるネットワークの統合が進んでいるが、そのようなIPネットワーク上でアプリケーションやサービスが要求する多くの機能を実現するためには、現在の通信プロトコルの抜本的な機能強化が必要であり、特に高信頼性通信を提供するTCP(Transmission Control Protocol)に代わる新たな高機能輻輳制御プロトコルの開発が重要である。本研究では、(1)リンクやバッファなどのネットワークリソースの有効利用、(2)同一リンクで競合するコネクション間の公平性の確保、(3)高ビットエラー環境における高速通信、の3つを実現するプロトコルを設計した。(1)から(3)のような高機能性を実現するためには、ネットワークの中間ノードで観測されるトラフィック情報を利用するのが効果的である。しかしながら、中間ノードから送信ノードへ情報をフィードバックする機構が必要になるため、既存ネットワークへの変更要求が大きく、実装展開の点において課題が残されていた。そこで本研究では、既存のTCP/IPのフレームワーク内でフィードバックが可能な情報だけを用いて(1)から(3)を実現するプロトコルを設計した。提案プロトコルの特徴は、その高機能性はもとより、既存ネットワークへの導入が他手法と比較して容易な点にある。シミュレータによる実験では、(1)から(3)の性能が確認された。また、TCPヘッダを利用したフィードバック方式の場合は、送信ノードにおけるレート調節アルゴリズムを改良することにより、1Gbps程度の広帯域ネットワークにおける高速通信が可能であることも明らかにした。本研究の意義は、既存のTCP/IPのフレームワークを前提としつつ、その高機能化を実現したことにあり、類似研究との大きな違いである。
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