研究課題/領域番号 |
07J08618
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中渕 敬士 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | ポルフィリン / コア置換 / リン / ペンタフルオロフェニル基 / 反応性 / 芳香族性 / リン原子 / 配位能 / 20πポルフィリン / ホスフィンオキシド / ボスホール / カリックスフィリン / 大環状ボスフィン配位子 / 触媒 / 核置換ポルフィリン / 拡張ポルフィリン / リン上の化学修飾 |
研究概要 |
報告者は、ポルフィリンの一つの窒素原子をリン原子で置換した構造を持つホスファポルフィリン誘導体に関する研究を行っているが、平成21年度は、特にこのホスファポルフィリンの反応性、および、より簡便な合成経路の開拓に注目して研究を行った。その結果、ホスファポルフィリンが1)過酸化水素を作用させた際に興味深い反応性を示すこと、および2)リン原子上に電子吸引性の置換基を導入することで、ホスファポルフィリンがより容易に、かつ高収率で得られることを明らかにした。以下、(2)についての詳細を述べる。 これまでに報告してきたホスファポルフィリン合成においては、リン原子の高い反応性の為、合成段階においてリン上を保護しておく必要があった。また、最終段階の環の酸化反応は、リン上の脱保護を行った後で行う必要があるため、この際のリン上の酸化反応が深刻な副反応であった。この問題点に対し、本研究では、リン上の置換基として従来のフェニル基(Ph基)の代わりに、電子吸引性の高いペンタフルオロフェニル基(C_6F_5基)を導入することで、リン原子の酸や酸化剤へ反応性を低下させるという方策をとった。その結果、合成段階においてリン原子上の保護・脱保護という過程が不要となり、かつ環の酸化の段階においても副反応が著しく抑制された。このコンセプトを応用することで、今後、種々のホスファポルフィリン誘導体を簡便に合成することが可能になると期待できる。実際に、今回はその一例として、従来のP-Ph型では得られなかった環拡張型のホスファポルフィリンを得ることにも成功している。
|