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クメール美術におけるインド文化の受容と変容-12・13世紀の彫像にみる宗教混交-

研究課題

研究課題/領域番号 07J08749
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 美学・美術史
研究機関上智大学

研究代表者

宮崎 晶子  上智大学, アジア文化研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2007 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードクメール美術 / 観世音菩薩像 / バイヨン様式 / 宗教混交 / ナーガ上の仏陀坐像
研究概要

本研究は、クメール美術の観世音菩薩像およびナーガ上の仏陀坐像に焦点を当て、図像とクメール碑文・仏典(インド・中国など)との比較検討を通じて、アンコール期(9世紀から15世紀)における仏教の受容と変容、宗教混交を明らかにすることを目的としている。
20年度は、19年度の調査に基づき、12・13世紀の観世音菩薩像に焦点を当てるとともに、同じ経典『カーランダ・ヴューハ』が出典だと考えられる10世紀の観世音菩薩像に関して調査を行った。その結果、12・13世紀の観世音菩薩像は、アンコールの中心地であるシェムリアップ以外に、辺境の遺跡からも確認でき、当時の版図拡大の動きの中で何らかの役割を担っていた可能性が指摘できる。
一方、10世紀の観世音菩薩像は、12・13世紀の観世音菩薩像と出典が同じであると考えられるが、現在のところ一地方としか考えられてこなかったカンボジア北西部から集中して確認されていることがわかった。これにより、同じ経典を出典としていながらも、時代によってその流行や、観世音菩薩像が担う役割は、同じアンコールのなかでも異なっていたということが明らかになった。
また、12・13世紀の観世音菩薩像には、同じ経典の中でも「ヒンドゥーの諸神を内包する」、「多くの天人をその体に住まわせる」存在という記述が表現されているのに対し、10世紀の観世音菩薩像では、「水を指から出現し、餓鬼の喉を潤した」という記述が表現されている。
12・13世紀と10世紀の図像表現の違い、また表現された経典の記述箇所の違いやその宗教の変容は、当時の社会背景に大きく起因していることが考えられ、アンコールにおける宗教の必要性、また役割を考察する上で、重要な視座を提供できるものと考えられる。

報告書

(2件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 宝冠仏にみる王権と宗教-パーラ、パガン、アンコールを事例に-2009

    • 著者名/発表者名
      宮崎晶子
    • 雑誌名

      カンボジアの文化復興 24号

      ページ: 5-14

    • NAID

      40017283084

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [雑誌論文] 10世紀および12・13世紀のアンコールにおける仏教の展開-KVSを出典とする観世音菩薩信仰を中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      宮崎晶子
    • 雑誌名

      未定、科学研究費報告書「環タイ湾地域におけるインド系文化の変容に関する基礎的研究」(代表:肥塚隆) (印刷中)採録決定済み

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [雑誌論文] アンコール期の地方遺跡における観世音菩薩像の役割2008

    • 著者名/発表者名
      宮崎晶子
    • 雑誌名

      東南アジア考古学 28号

      ページ: 75-86

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「東南アジアにみられる仏教・ヒンドゥー教美術の変容-クメール、チャンパ、ドヴァーラヴァティー美術の比較から-」2008

    • 著者名/発表者名
      宮崎晶子
    • 雑誌名

      『カンボジアの文化復興』 23

      ページ: 19-29

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 10世紀のアンコールにみるカーランダ・ヴューハの影響-観世音菩薩像および碑文を中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      宮崎晶子
    • 学会等名
      東南アジア彫刻史研究会
    • 発表場所
      大阪人間科学大学
    • 年月日
      2009-03-20
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] 「クメール美術にみるインド文化の受容と変容-観世音菩薩像における『カーランダ・ヴューハ』の影響を中心に-」2007

    • 著者名/発表者名
      宮崎晶子
    • 学会等名
      東南アジア学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2007-06-09
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2024-03-26  

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