研究課題/領域番号 |
07J08854
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
斉藤 雅茂 上智大学, 大学院・総合人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 社会的不平等 / 社会的孤立 / 一人暮らし高齢者 / 訪問面接調査 / 量的・質的分析 / 量的分析 |
研究概要 |
本年度は、はじめに、昨年度に実施した東京都板橋区のなかで商業集積地に居住する一人暮らし高齢者を対象にした訪問面接調査(有効回答票170:回収率49.6%)の追加分析を行った。ライフコース上の要因として、配偶者、子ども、自分の親、きょうだい、配偶者の親・親戚と別居した時期についてクラスター分析を行い、高齢者の一人暮らしに至る主要な経緯を5つに分類した(配偶者同居型、親戚同居型、配偶者・子早期別居型、子どもなし型、長期一人暮らし型)。その結果、一人暮らし高齢者のなかでも、一人暮らしに至る経緯によって、所得や資産だけでなく、住環境、健康、社会参加や社会的孤立の問題においても格差が存在していることが明らかにされた。とくに、「長期一人暮らし型」と「子どもなし型」は、低所得の人、劣悪な住環境にある人、地域活動等に不参加の人、孤立状態(親族を含め、他者との対面・非対面接触頻度が月に1回程度以下)に該当する人の割合が高くなっていた。つぎに、これらの諸問題のうち、社会的孤立に着目し、上記の基準で捉えた孤立状態に該当した13名について追加の事例分析を行った。その結果、高齢者の社会的孤立は、幼少期の親との死別に始まり、低学歴や家出、不安定職への従事、離婚、失業など、生涯を通じた累積的な不利によって現在に至った長期的な孤立とあわせて、高齢期からの短期的な孤立があることが明らかにされた。また、短期的な孤立のなかでも、加齢に伴って普遍的に経験する健康状態の悪化や家族・友人等との死別による孤立と、高齢期の離婚や破産などの特定のライフイベントの経験による孤立があることが示された。
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