研究課題/領域番号 |
07J09834
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白井 学 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ナノグラニュラー薄膜 / ナノ粒子 / 透過型電子顕微鏡 / イオン照射 / 電子線トモグラフィー |
研究概要 |
金属ナノ粒子がアモルファス母相に分散した構造であるナノグラニュラー薄膜は磁気および光学といった分野での応用が期待されている。実用化に求められる性能を実現するためには、金属ナノ粒子のサイズ、形状ならびに分散状態を制御する必要がある。加速されたイオンが材料に入射すると、材料中の原子をはじき出したり、内殻電子を励起する等の相互作用を行いながら、材料に選択的、局所的にエネルギーを付与することができる。そのためイオン照射はナノ構造制御方法としての利用が期待できる。本研究ではナノグラニュラー薄膜の構造制御方法としてイオン照射の可能性を模索するためにイオン照射による金属ナノ粒子の形態や分散状態などの組織変化に関する知見を得ること目的としている。 本年度は、イオン照射によるナノ粒子の変形機構を探るために、単純な系であるAuナノ粒子がアモルファスSiO_2母相に分散したナノグラニュラー薄膜を作製し、日本原子力研究開発機構のタンデム加速器を用いて210MeV Xeイオン照射を行い、照射による粒子の形状変化を透過型電子顕微鏡により評価した。 Au-SiO_2ナノグラニュラー薄膜への210MeV Xeイオン照射において粒径が20nmより小さな粒子では、照射しても粒径や形状にほとんど変化が見られなかった。一方、粒径が20nm以上の粒子はイオンの照射量が5×10^<17>ions/m^2以上になると、粒子の形状が球状からイオン入射方向に伸び始め、照射量が増加するにつれてその伸びは顕著となることが明らかとなった。この結果から、高速重イオン照射によりグラニュラー薄膜中のナノ粒子が変形するための照射量および粒子サイズには閾値があることが示唆される。
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