研究課題/領域番号 |
07J10735
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
迫田 大輔 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 非侵襲光計測 / Monte Carloシミュレーション / 血液 / 体外循環補助デバイス / 循環器系補助デバイス / 赤血球 / 非生理的せん断 / 赤血球解糖系代謝 / MCV / MCHC / 連続流血液ポンプ / 時間分解光計測 / Mie散乱 |
研究概要 |
開心術時の体外循環補助(Cardio-Pulmonary Bypass : CPB)、経皮的心肺補助(Percutaneous Cardio-Pulmonary System : PCPS)、肺機能補助を目的とした膜型人工肺を用いた体外循環補助(Extra-Corporeal Membrane Oxygenation: ECMO)、そして重症左心室不全症のための左心室補助(Left Ventricular Assistance : LVAS)下における、光による血液の非侵襲連続計測を実現するため、血液内の光子伝播モデルphoton-cell interactive Monte Carlo(pciMC)モデルを開発した。従来のMonte Carloシミュレーションは、血液内の光散乱を表現する上で、マクロな異方性パラメータおよび位相関数を用いていたが、pciMCは幾何光学に基づき、赤血球の表面に対する入射角および屈折率差から光子のベクトル変化を求めるミクロな境界条件によって散乱が表現されるため、赤血球の形状や分布、配向などの変化に起因する血液内の光伝播変化をシミュレーションできるモデルであり、体外循環補助システムが送り出す血流の光学特性を説明できるモデルと成り得る。しかしながら、散乱の振る舞いをミクロな境界条件によって記述するため、明らかに計算コストが増加するという問題が生じる。この問題を解決するために、生理的な範囲における、様々な体積および屈折率の赤血球一個あたりの散乱パターンの解を予め別プログラムで求めておき、その答えをデータベース化し、実際にpciMCプログラムを実行するときは、そのデータベースから必要な答えを呼び出す形式にプログラミングした。この結果、従来のマクロな散乱表現であるMonte Carloシミュレーションと比較して、計算コストはおよそ7%増程度に抑えられた。 開発したpciMCの妥当性を評価するために、波長651nmの超短パルス光およびストリークカメラを用いて厚さ0.5~4mmの新鮮ブタ血液層の透過伝播時間および受光強度を実際に計測し、pciMCのシミュレーション結果と比較した。その結果、実測値との誤差率は平均して20%程度であり、実用的な精度でのシミュレーションが可能であることが確認された。
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