研究課題/領域番号 |
07J11111
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
マイクロ・ナノデバイス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾上 弘晃 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | MEMS / 細胞 / DNA / パターニング / microTAS / 表面修飾 / 生体信号検出 |
研究概要 |
2年度目は、生体物質の適切なマイクロナノパターン上へのトラップ方法の確立と、そのトラップした生体物質からの生化学的な応答の取得を目指した。 昨年度に引き続き、平成20年4月から平成21年1月末まで、米国カリフォルニア大学バークレー校化学科のProf.Richard Mathiesの研究室に滞在し、細胞の表面修飾の方法とマイクロ構造上へのトラッピングの方法を開発した。具体的には、細胞表面の膜タンパクのリジン上にある第一アミン基に、NHSを5末端に持つssDNAを反応させて、直接的にssDNAにより細胞表面を修飾させることに成功した。この方法は付着細胞・浮遊細胞の両方に適用できるだけでなく、プライマリー細胞、さらにはバクテリアにも適用可能であり、幅広い生体物質のトラッピングに利用できる。この成果は現在、Langmuir誌に投稿査読中であり、また米国特許も申請中である。 この技術を用い、Jurkat細胞とT細胞をマイクロ加工によって作成したIrOxペーハーマイクロセンサ上にトラップし、細胞の代謝によるセンサ表面の微小領域のpH濃度の計測に成功した。JurkatとT-cellは見かけ上は全く同じ大きさと形状をしており、顕微鏡下の視認による判別は不可能である。この2種類の細胞を、上記のペーハーセンサ上にトラップし、代謝によるpH変化の差から2種類の細胞の分別を実現した。これは、本研究課題が目指す、生体物質の選択的認識の一つの実現方法であると思われる。この成果は現在、Lab on a chip誌に投稿査読中である。 また、異種類の細胞のマイクロパターン上への同時トラッピングも実現した。基板上に複数種類のssDNAを活性を保った状態でパターンすることが技術的な鍵となるが、PMMAによるDNA保護層とAlリフトオフを組み合わせることで、それを実現した。Jurkat、FL-5.12、CHOの3種類の細胞を、任意のマイクロパターン上へのトラップを行い、またトラップした細胞同士でのシグナリング分子(IL-3)によるコミュニケーションが行われることを確認した。
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