研究課題/領域番号 |
07J11501
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中谷 惣 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 中世イタリア / トスカーナ / コムーネ / 司法 / 法実践 / 紛争解決 / イタリア / 自治都市 |
研究概要 |
本年度は1)研究成果の公表とそれに基づく博士論文の執筆、2)海外での史料調査等、を主に行った。 1)前年度に蒐集した未刊行史料の読解・分析を行い、その成果を学会での口頭発表、学術雑誌への論文掲載という形で公表した。5月には西洋史学会大会において「14世紀ルッカにおける権利をめぐる攻防-裁判記録の分析から」と題する報告を行い、同時代人の土地などへの権利認識のあり方と、権利をめぐる争いから垣間見られる統治機関としてのコムーネの存在形態について論じた。また、11月には『史学雑誌』に「中世後期イタリアにおける訴訟戦略と情報管理-ルッカの事例から-」と題する論考を掲載し、ルッカの裁判記録から明らかになった市民による司法利用のあり方と同時代の情報の性質を論じた。そして12月には、上記の成果やそれ以前の研究成果を体系的にまとめた博士論文「中世後期イタリアにおけるコムーネと司法-ルッカの事例より-」を提出し、博士号を取得した。 2)国内での成果報告と並行して、イタリアに渡航し、現地研究者との意見交換、文書館での史料調査を行った。フィレンツェ大学ではゾルジ教授と、トリノ大学ではヴァレラーニ教授と意見交換し、これまでの研究成果をイタリアの学術雑誌で公表する際の留意点に関して助言を受けた。史料調査では、ルッカ、フィレンツェ、シエナ、プラートの各国立文書館へ赴いた。ルッカでは、14世紀後半の裁判記録や議事録、さらには、文書管理に関する同時代の目録の分析を行った。他のトスカーナ諸都市の文書館では、13世紀後半から14世紀にかけての民事の裁判記録を、ルッカとの比較を視野に検討した。その結果、刑事の記録では見られない、史料生成過程における大きな地域差があることが明らかとなった。
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