研究課題/領域番号 |
07J12006
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山本 絵里子 慶應義塾大学, 社会学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 比較認知研究 / 動作の認知 / 時系列的階層構造の認知 / ハト / バイオロジカルモーション / ポイントライト・ディスプレイ / fMRI / 見本合わせ課題 / Pair-wise-stimulusパラダイム / 不応現象 |
研究概要 |
本研究では、ハトにおいて、時系列的な階層構造をもつ動作の認知を検討するために、見本合わせ課題と非見本合わせ課題を用いて、幾何学的運動の認知(実験1)、生物学的動作の認知(実験2)の検討を試みた。実験1では、6種類の幾何学的運動の動画刺激を用いた。結果、被験体の正答率が偶然確率を超えた。実験2では、4種類の生物学的動作の動画刺激(映像の動画、及び、光点群から生物の動作を知覚させるバイオロジカルモーション(BM)の動画)、及び、各動画刺激の1フレームを抜き出して作成された静止画刺激を用いた。実験2の結果、静止画刺激と比較して、動画刺激における正答率は偶然確率を超えていた。現段階では、ハトにおける動作の認知について結論づけることはできないが、本研究から、ハトが動画刺激を用いた見本合わせ課題を学習する可能性、及び、ハトが運動情報を弁別手がかりの1つとして用いている可能性を示した。 本研究では、ヒトにおいて、時系列的な階層構造をもつ動作の認知に関与する脳内機構を検討するために、Pair-Wise Stimuius(PWS)パラダイム、及び、BM刺激を用いた。PWSパラダイムは、2つの同じ刺激入力を短い時間で連続して呈示すると、後の刺激のBOLD反応が抑制される現象のことである。例えば、異なる動作刺激の連続的呈示により、特定脳部位におけるBOLD反応の抑制が生じた場合、その特定脳部位が異なる動作刺激の共通要素(運動と形状情報の統合、時系列情報における運動のまとまりの検出)の処理に関与している可能性を示す。結果、異なる動作刺激の連続的呈示により、右上側頭葉にBOLD反応の抑制現象が確認された。本研究では、時系列的な階層構造をもつ動作の認知に関与する脳内機構を結論づけることはできないが、上側頭葉内部が時系列情報からの運動のまとまりの検出に関与している可能性を示した。
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