研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的の一つは、PAR-1蛋白がutrophinを含むdystroglycan複合体蛋白群をどのようなメニズムによって制御しているかについて調査することである。平成20年度までの研究作業により、PAR-1がutrophinのspectrin-like repeat 8-9領域に直接結合していること、また、その部位にあるSer1258をリン酸化していることを明らかとしてきた。21年度は、このSer1258のリン酸化によってutrophinとdystroglycan間の結合が安定化されていることを明らかにした。さらに、spectrin-like repeat 8と9は、互いに協調的に働いて立体構造を作り、そのことによってPAR-1と結合するドメインを作るということを示唆する結果を得た。これらの結果をまとめ、論文発表を行った。もうひとつの目的である、PAR-1の新規結合蛋白探索については、PAR-1に特異性の高い精製タグを付与することで純度の高いPAR-1の精製を実現し、いくつかの結合タンパクを得た。これら結合タンパクの機能解析を順次行っているが、現在、その中の一つに着目し、この遺伝子の個体における機能を調べるためにノックアウトマウスの作成を行っている。また、PAR-1以外の細胞極性制御タンパクに関しても、このシステムを利用して結合タンパクをいくつか同定した。これら因子に関しても、細胞極性制御機能の解析を行っている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Biochemical and Biophysical Research Communications 391(1)
ページ: 812-817
Genes to Cells 14
ページ: 835-50