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戦後日本における「美術」と「家庭科」の教科編成-「手芸」再定位のポリティクス-

研究課題

研究課題/領域番号 07J40112
配分区分補助金
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

笹本 明子 (山崎 明子)  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員RPD

研究期間 (年度) 2006 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
キーワード教育史 / 女子教育 / 美術 / ジェンダー / 裁縫 / 手芸 / 教科書 / 日本近代
研究概要

戦前までの中等教育における美術教育は基本的に男女別に行なわれ、その目的・方法・内容等に渡って男女の美術教育は差異が設けられていた。このことは男女別学教育による必然的結果であると言える。その中で、女子教育では美術教育は「美術」という教科だけでなく包括的な女性の表現活動を想定した教科の連関が図られていたと考えられる。戦後の教科編成において「家庭科」が教科として成立し、「美術」は基本的に男女共学を想定した教科となり、手芸的表現活動は女子の美術から家庭科へと移行する。以上の問題について、本研究は美術と家庭科という教科の枠組みを通して、「手芸」という女性の表現活動をめぐる政治学を明らかにすることによって、近現代の教育システムに内在するジェンダー規範を顕在化することを目指すものである。
今年度の研究活動の中心は、戦前までの女子の美術教育の枠組みを明確にすることにあり、二つの点で大きな成果があがった。第一に、学校教育と並行して行われた家庭における美術教育として、女子のための洋画塾を例にとりこれまでの調査結果をまとめ、論文として刊行した。第二に、学校教育における図画教育で中心的教材となる教科書、特に戦前まで存在していた女子用図画教科書の調査を行い、その成果を学会にて報告の上、論文として刊行した。
これらの調査研究は、これまで学会内においてもほとんど論じられることのなかった女子の美術教育に関する基礎的な研究としての意義を持ち、男女両方に関する歴史史料の蓄積の必要性と先行研究におけるジェンダーの視点の欠如を指摘した点において美術教育史・美術史両領域において重要であると考える。

報告書

(1件)
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 昭和初期女子洋画塾に関する研究-赤艸社女子絵画研究所における美術教育-2008

    • 著者名/発表者名
      山崎 明子
    • 雑誌名

      美術教育学 29号

      ページ: 591-603

    • NAID

      110006999382

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 女子用図画教科書のジェンダー・ポリティクス2008

    • 著者名/発表者名
      山崎 明子
    • 雑誌名

      大学武術教育学会誌 40号

      ページ: 441-448

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 戦後手芸ブームと薪たな「主婦」規範2008

    • 著者名/発表者名
      山崎 明子
    • 雑誌名

      『表象/帝国/ジェンダー-聖戦から冷戦へ-』千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 175集

      ページ: 91-110

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] ミシン・アート考-美術/手芸/ジェンダー-2008

    • 著者名/発表者名
      山崎 明子
    • 雑誌名

      美術運動史研究会ニュース 91号

      ページ: 1-4

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] ひなまつりとジェンダー2007

    • 著者名/発表者名
      山崎 明子
    • 雑誌名

      教会と女性 20集

      ページ: 21-32

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 近代女子図画教育にみる教科の枠組み-家事・裁縫科目との関連から-2008

    • 著者名/発表者名
      山崎 明子
    • 学会等名
      美術科教育学会
    • 発表場所
      群馬大学
    • 年月日
      2008-03-29
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2024-03-26  

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