パキスタン、インドを訪問し、両国の身分登録制度および家族法について調査した。 パキスタンでは近年開始されたばかりの国民登録制度(NADRA)につき調査し、この調査報告は今年度出版される予定であるが当該国民登録制度は今までわが国で紹介されたことがなかったため、今後日本人との国際結婚につきパキスタン人当事者の戸籍抄本にかわる公的な婚姻要件具備証明書として典拠としうるというだけでなく、重婚防止にもなるため身分登録関係機関にとっては重要な情報となるであろう。 パキスタンおよびインドの複数のロースクールを訪問した。これらの法学教育を比較検討し、とくにムンバイ地区のロースクールを中心としたインド法学教育についての論文をインド人研究者と共同執筆中である。 パキスタンおよびインドのロースクールにおいて、法学生および教員を対象とした日本法に関する講演を2回行った。いずれも英語で行い、内容は日本の家族法とADR制度に関してであった。インドでの講演の内容は近日中に当該ロースクール紀要から出版される予定である。 フィジーの家族法および法制史の調査を行った。フィジーの人口の約半数はインドからの移民であり、法制史および家族法上もインド法の影響が見られる。研究成果は近日中に出版の見込みである。
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