研究課題/領域番号 |
08041032
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
前田 耕作 和光大学, 人文学部, 教授 (50100467)
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研究分担者 |
中村 忠男 立命館大学, 文学部, 助教授 (50278488)
松枝 到 和光大学, 人間関係学部, 教授 (20181696)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | バローチスターン / ジャラーワーン / ラス・ベーラ / マクラーン / ゾロアスター教 / ヒンドゥー教 / イスラーム教 / ヒングラージ / 宗教 / 歴史 / 象徴 / イスラーム / ヒンドゥー / 石窟 / 聖廟 / 聖地・聖蹟 / 巡礼地 / 言語文化 / 民俗学 / 宗教図像 |
研究概要 |
北部を含むジャラーワーン地区では州都クエッタ、カラート周辺域、フズダール周辺域が主たる調査域である。この地域にはイスラーム教以前、ゾロアスター教、仏教、ヒンドゥー教が存在していたと考えられてきた。ゾロアスター教の祠堂があるのはクエッタであるが、イランにおけるように古来からの残存を裏づけるものはなにもない。カラチにある祠堂とともに英領インド時代、商人のパルシー教徒の移住とのつながりで考えられるべきものと思われる。ジャラーワーン地区へのヒンドゥー教の流伝はイスラーム教をともなったアラブの侵入より早いが、それを裏づけるものは、その根強い信仰の存続とイスラーム教聖者伝説と交錯するヒンドゥー教の伝説のほかにはない。しかし、ジャラーワーン地域とラス・ベーラ地域の古道沿いには、ヒンドゥー寺院が点在し、それらは互いに繋がりをもっており孤立していない。クエッタ、カラート、フズダール、ベーラ、カラチと残存するヒンドゥー教の細い糸をたぐっていったとき、それらを繋ぐ一つの結び目にヒンゴール河畔に存在するヒンドゥー教の巡礼聖地ヒングラージに行きあたり、この聖地の具体的な調査をおこなうことができたことが、二年にわたる調査の最大の成果であった。ヒングラージの聖域の実測および女神の聖像等の詳細は、平成11年度に予定される補足調査の後、本報告で公表される。 ラス・ベーラ地域の西端、マクラーン地域の東端に位置するヒングラージ聖跡の踏査によって調査域をマクラーン地域にまで広げる必要が生じ、平成9年度の調査では、トゥルバットおよびグワーダルを訪れ、ついにヒンドゥー教流伝の西限を突きとめることができた。
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