研究課題/領域番号 |
08041044
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 愛媛大学 (1997-1998) 帯広畜産大学 (1996) |
研究代表者 |
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
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研究分担者 |
張 厚義 中国社会科学院, 社会学研究所, 研究員
安原 茂 愛知大学, 文学部, 教授 (70054286)
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (50164661)
富田 和広 広島女子大学, 国際文化学部, 専任講師 (50285417)
陳 立行 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (60278314)
ZHANG Hou-yi Chinese Academi of Social Science, Institute of Sociology, Resercher
徐 安き 上海社会科学院, 社会学研究所, 副研究員
趙 喜順 四川社会科学院, 社会学研究所, 研究員
戴 建中 北京市社会科学院, 社会学研究所, 副研究員
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1997年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1996年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 中国社会 / 私的経営者 / 地域文化 / 家族伝統 / 社会的ネットワーク / 階級意識 / 社会変動 / 中国 / 世界システム / 国営企業 / グローバル / 政治権力 / ネットワーク / 地域社会 / 家族・親族 / 階級・階層 / 文化 |
研究概要 |
本研究では四回にわたる現地聞き取り調査および全国規模のアンケート調査を実施した。そこで得られた知見は以下の通りである。 1. 私的経営者は生活での志向から精神充足型と功利追求型の二つの類型を得ることができた。さらに、オータナティブな産業社会の担い手としての、その前者の形成は政治権力への対抗性に基礎をおく地域文化と密接な関連を有していた。 2. ケース全体を通して家族経営を行っている企業が多くみられ、とくに地域の家族伝統と密接な関わりをもっていた。その一方で、家族伝統から離脱するケースも見られていた。 3. 農村地域や地方都市では、金融制度と市場取引に関する法律が不備であるため、私的経営者が資本形成する過程で社会的ネットワークの操作が重要な役割を果たしていた。 4. 階層意識については、私的経営者は自らの社会的位置をほぼ中間としてとらえていた。さらに、それを規定する変数としては、収入、社会的名声、政治参加度ともに出生地点が都市か農村かということが決定的な意味をもっていた。 5. 世界システムとのかかわりでは、アジア危機の予期せざる結果として、中国の産業化過程における私的経営者の重要性が高まっていた。危機の影響は地場市場と結びつきがちな私営企業では、比較的軽微であった。 6. 以上の検討から、中国の産業化のなかで私的経営者のもつ意義は確実に高まりつつあり、その形成には地域性や地域文化というべきものが深く関わっていることが明らかとなった。このことは東アジア的な社会変動の枠組みを考える上での不可欠な要件といえる。
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