研究課題/領域番号 |
08041061
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
加藤 弘之 神戸大学, 経済学部, 教授 (70152741)
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研究分担者 |
黄 りん 神戸大学, 経営学部, 助教授 (40225363)
岡本 由美子 神戸大学, 国際協力研究科, 助教授 (00273805)
陳 光輝 神戸大学, 国際協力研究科, 助教授 (00188509)
てき 林瑜 大阪市立大学, 商学部, 助教授 (40236964)
松永 宣明 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (80127399)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 地域格差 / 経済発展の波及メカニズム / 地域開発戦略 / 地域経済圏 / 地域間での政策協調 / 物流ネットワーク / 長江流域地域 / 経済圏 |
研究概要 |
本研究の目的は、沿海から内陸への経済発展の波及メカニズムを明らかにし、それを促進するための政府の役割を検討することにある。我々は、沿海から内陸への経済発展の波及のメインルートとして注目されている長江流域地域に焦点を当てて、政府関係部門と現地企業、外資企業への聞き取り調査,および各地の研究者との研究交流を通じて、各地の地域発展の現状を分析し、各地の開発戦略の比較検討を行った。 本研究から得られた新たな知見は以下の3点である。 1.長江を通じた物流ネットワークは充分に機能しているとはいえず、「長江流域共同市場」はいまだ成立していない。ただし、長江沿いの高速道路網の整備が急ピッチで進み、京九鉄道(北京一香港・九龍)が完成するなど、道路と鉄道が地域間での相互依存を高める役割を果たしている。 2.各地方政府は独自に発展戦略を策定しており、発展戦略は地域間での整合性を欠いている。また、中央政府は地域間での発展戦略を調整する機能を十分に持っていない。この欠陥を補うために、地方政府レベルでの政策協調を目指した地域間協力が始まっているか、これまでのところ見るべき成果は上がっていない。 3.行政区画を越えた「地域経済圏」がしだいに形成されつつあるが、その実態は複雑である。家電製品のような産業では激しい市場競争によって全国規模での財の流動化が見られる一方、自動車のような基幹産業では政府の手厚い保護がある。2で指摘したように、地方政府間での発展戦略に整合性が欠けている現状では、激しい市場競争と手厚い保護の併存状況は、今後とも継続するであろう。
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